

- 代表機関:大阪市立大学 大学院理学研究科
- 課題管理者:中村 太郎
- FAX:06-6605-2576
- 分担機関①:大阪大学 大学院工学研究科
- 分担機関②(バックアップ):広島大学 自然科学研究支援開発センター
目的と実施体制
酵母は醸造産業の担い手として人類に必須の微生物であると同時に、生命科学領域での真核細胞のモデル生物として重要な役割を果たしています。特に、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeと出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeでは組換えDNA技術を含め、様々な遺伝学・生化学・分子生物学的実験手法や研究用リソースが開発されており、細胞周期や細胞内タンパク質輸送、オートファジーなど、酵母の研究を基にそのメカニズムが解明された例はたくさんあります。また、真核生物では最も早くゲノムプロジェクトが完了した生物であり、ゲノム・トランスクリプトーム・プロテオームなどのオミックス情報が充実したデータベースを有し、ポストゲノム研究においても先導的役割を担っています。一方で、醸造・発酵工業への応用研究も活発に行われています。
NBRP酵母/YGRC(酵母遺伝資源センター)では、代表機関である大阪市立大学が分裂酵母について、分担機関である大阪大学が出芽酵母について、株及びDNAリソースの収集・保存・提供を実施します。また、分担機関である広島大学自然科学研究支援開発センターが、株リソースのバックアップを担当します。これらの活動によりYGRCは世界トップクラスのリソース機関へと発展しました。第4期NBRPでは、これまでの事業を継続しつつ、ゲノムワイドなリソースや需要の多い旬のリソースを充実させ、さらなるリソースの質の向上を目指します。
提供リソース
分裂酵母では、約15,000種に及ぶ細胞分裂・有性生殖関連の突然変異株・遺伝子破壊株・GFP融合遺伝子発現株や条件致死変異株と、それらの用途別菌株セットの提供が可能です。DNAリソースでは、完全長cDNAクローン(約1,600種)、ゲノムDNAクローン(約59,000種)及びゲノムDNA・cDNAライブラリーと、各種プラスミドベクター(約1,800種)の提供が可能です。
出芽酵母では、約13,700株から成る細胞周期・細胞壁合成・オートファジー・減数分裂特異的DNA組換えに関する変異株やリボソーム合成関連株、ゲノムワイドな染色体部分重複株シリーズ、プロテインホスファターゼ遺伝子群の各組み合わせ二重破壊株シリーズ、オーキシン誘導デグロン法によるコンディショナル変異株コレクション、DNAバーコード菌株コレクション、及びS. cerevisiae以外のモデル出芽酵母変異株の提供が可能です。また、ゲノム網羅的な単一遺伝子過剰発現リソースgTOW6000(約5,800株)や各種プラスミドベクター(約6,000種)の提供も行っています。
リソース関連プログラム課題
【ゲノム情報等整備プログラム】
2005年度-2006年度 | ゲノム情報 – 成果:ゲノム情報等整備プログラム:2002年度-2006年度 |