
- 代表機関:理化学研究所バイオリソース研究センター 実験植物開発室
- 課題管理者:小林 正智
- FAX:029-836-9053
目的と実施体制
シロイヌナズナは、個体が小さく3か月で次世代の種子を得ることが可能であり、全ゲノム配列の精密解読や遺伝子導入等の関連技術も蓄積されていることから、モデル植物として国内外の学術研究に広く使われています。植物培養細胞は、伝統的に我が国が強みを持つリソースであり、細胞生物学から有用物質の生産まで、幅広い研究で活用が期待されています。
理研BRC実験植物開発室では、シロイヌナズナの野生及び遺伝子破壊系統に加え、モデル植物の培養細胞や遺伝子クローンの収集・保存・提供を行っています。第4期NBRPでは、これら保有する多様なリソース群全体の国際的な認知度とユーザーの利便性の向上を目指し、カタログデータベースの改修に取り組んでいます。また、世界最高水準の信頼性をもつリソースとして、品質管理体制の整備に取り組み、ゲノム編集の成果物など革新的な技術が適用されたリソースへの対応を進めています。そしてNBRPの各中核機関とも連携して研究コミュニティーへの情報発信を強化し、環境、食料、物質生産の課題解決に向けた植物研究の支援に努めています。
提供リソース
シロイヌナズナでは、遺伝子破壊と遺伝子過剰発現の両タイプの網羅的な遺伝子変異系統に加え、個々の形質転換系統(約200系統)が利用可能です。また、世界各地から取集した野生株(約530系統)も提供しています。また、遺伝子リソースのシロイヌナズナ完全長cDNAクローン(RAFLクローン)は、全長解析済みの約21,000クローンを含む世界標準のリソースです。シロイヌナズナのゲノム断片を挿入したTACクローンや転写制御因子のORFクローンも提供しています。このほか8種のモデル植物に由来する約32万種のcDNAクローンが利用可能です。培養細胞株はシロイヌナズナをはじめ、多様な植物種からなる62株(GFP蛍光タンパク質遺伝子導入株含む)の提供が可能です。
リソース関連プログラム課題
【ゲノム情報等整備プログラム】
2007年度 | 新たなシロイヌナズナリソースとしてのThellungiella halophilaの完全長cDNA全長配列解析 |
2002年度-2006年度 | ゲノム情報 – 成果:ゲノム情報等整備プログラム:2002年度-2006年度 |