
- 代表機関:岐阜大学 高等研究院 微生物遺伝資源保存センター
- 課題管理者:田中 香お里
- FAX:058-230-6154
- 分担機関①:大阪大学 微生物病研究所
- 分担機関②(バックアップ):群馬大学 大学院医学系研究科附属薬剤耐性菌実験施設
目的と実施体制
現在も進行し今後も予測される新興・再興感染症の台頭や、急速に進行する遺伝子変異、耐性化などに対抗するため、これらの研究に必要不可欠な高品質で優れたバイオリソースの形成と、有益な付帯情報とともにそれらを管理・提供する基盤整備が必要です。
NBRP病原細菌では、代表機関である岐阜大学が種々の領域の感染症起因菌や日和見感染菌を対象に、分担機関である大阪大学微生物病研究所が腸管感染症起因菌を対象に、細菌の収集・保存・提供を行います。また、分担機関である群馬大学医学系研究科附属薬剤耐性菌実験施設がそれらリソースのバックアップを担当します。3機関は連携し、より安定した保存体制の整備を図り、利用に際して有用な菌株情報(病原因子や生化学的性状、薬剤感受性/耐性など)を付与した、より付加価値の高いリソースの整備を行います。また、研究者コレクションの寄託による貴重な遺伝資源の保全とともに、利用者の利便性向上に向けた提供菌株の保存・培養方法のデータベースを構築し、感染症と病原体に関連した教育・研究・開発をする人々の支援に努めます。
提供リソース
岐阜大学では、2万株以上を保有し、ヒトに病原性を有する細菌種の80%以上を保存しています。無芽胞嫌気性菌、好気性非発酵性グラム陰性菌を系統的に保存するとともに、BSL2-3特定病原体、日和見病原体、教育用弱毒株および薬剤耐性株を収集しています。また、コレクションには、感染症学上重要な血清型など、菌種内のバラエティ株も含まれています。大阪大学では、病原性大腸菌、ビブリオ属菌、その他の腸管病原性菌を中心とした標準株と臨床分離株を保有しています。両機関合わせ、約8千株がNBRP病原細菌データべース上に公開されています。また、本プロジェクトでは病原微生物を扱っているため、菌種によっては、依頼機関へ施設情報の提供を求めることや、データベース上での検索に制限をかけていることがありますので、希望者は事前に担当者にご相談ください。
リソース関連プログラム課題
【基盤技術整備プログラム】
2020年度-2021年度 | 広範な微生物種の迅速同定を可能にするMALDI-TOF MSレファレンスデータの構築 |