
- 代表機関:山口大学 共同獣医学部
- 課題管理者:藤島 政博
- FAX:083-933-5712
目的と実施体制
ゾウリムシ属(Paramecium)は繊毛虫門に属する原生生物で、単細胞の中で大型(150-300μm)であり、培養や顕微操作が容易なことから、真核細胞のモデル的生物として様々な基礎研究(細胞内共生、病原性細菌の中間宿主、感染防御、老化、繊毛運動、二核性、ゲノムの再編、細胞分裂、性的細胞認識、接合、逸脱コドン、食細胞活動、概日時計、浸透圧調節、環境適応、走性、イオンチャネル、学習、水質浄化など)に利用されています。 また複数種で大核(栄養核)のゲノム配列も解読され(Nature 444: 171‒178, 2006; Genetics 197: 1417-1428, 2014)、様々な遺伝学的アプローチが進展しています。
NBRPゾウリムシの代表機関である山口大学では、国内外の研究者からの寄託と野外採集とで、世界最大規模の24種を保存し、それらの提供を実施しています。第4期NBRPでは、国際標準となる高品質のゾウリムシリソースの整備を目指し、凍結保存技術の開発による安定供給や、各提供株情報 [syngen (接合可能な同質遺伝子個体群)、接合型(性別)、採集地、形質特性など] の提供を行っています。また、細胞内共生細菌及び共生藻の維持株提供への対応や展示会・技術講習会の開催など、ゾウリムシリソースを利用した研究の普及に努めています。
提供リソース
ゾウリムシ属には50種以上が記載されていますが、現在でも採集される種は34種です。NBRPゾウリムシは、24種(約900株)を保存し、うち9種(約40株)について直ちに提供できるように準備しています。また、ゾウリムシ属とその細胞内共生生物に対する多様なモノクローナル抗体の提供にもご相談に応じます。
リソース関連プログラム課題
【基盤技術整備プログラム】
2017年度-2018年度 | ゾウリムシ属の凍結保存技術の開発 |