
- 代表機関:長崎大学
- 課題管理者:安田 二朗
- FAX:095-819-7851
- 分担機関①:北海道大学人 人獣共通感染症国際共同研究所
- 分担機関②:東京大学 医科学研究所
- 分担機関③:大阪大学 微生物病研究所
- 分担機関④:理化学研究所 バイオリソース研究センター 遺伝子材料開発室
目的と実施体制
国際ウイルス分類委員会には、現在、168科、1,421属、6,590種のウイルスが登録されていますが、このうちヒトに病原性をもつものは数百種と言われています。また、21世紀に入ってからも新興感染症の病原体として新たなウイルスが続々と同定されています。同種のウイルスでも、増殖する動物種・臓器・組織・細胞特異性や病原性、抗原性など性状の異なる株が多数存在しており、ウイルス感染症の克服には、多種多様なウイルス株を用いた増殖機構や病態発現機構の解明、ワクチンや治療薬の開発などが必要です。
NBRPヒト病原ウイルスでは、代表機関である長崎大学がアルボウイルスおよび高病原性ウイルス、分担機関である北海道大学、東京大学、大阪大学、理化学研究所がそれぞれインフルエンザウイルス等の人獣共通感染症のウイルス、ヘルペスウイルス、消化器系ウイルス、ウイルス遺伝子(cDNA)クローンを担当し、ウイルスストックおよびウイルス遺伝子クローンの収集・作製・保管・バックアップ・品質管理・提供を行う拠点を整備します。また、国内の他の大学・研究機関等で保管されているウイルスに関するデータベース(保有機関、ウイルス種、株の情報など)の作成も進め、ウイルスリソースが広く活用されるよう利用者の利便性の向上も目指します。
提供リソース
本拠点に参画する4大学には既に28種1,384株のヒト病原ウイルスが保管されています。今後も国内外の研究機関からウイルス株の入手を進めると同時に、臨床検体等からのウイルス分離も進め、リソースの充実を図っていきます。また、主要なウイルス株についてはゲノム配列の解読も進め、データベースを更新していく予定です。
新規プログラムであるため2021年度は拠点の整備とデータベースの作成を行い、一部のリソースについては外部への提供を開始する予定です。