目的と実施体制
動物実験は生命科学発展の基盤として不可欠ですが、社会的な合意に基づき適切に実施することが必須です。文部科学省の「研究機関における動物実験等の実施に関する基本指針」では、このための具体的な仕組として、実施機関の情報公開と第三者による外部検証の実施を求めています。国立大学法人動物実験施設協議会と公私立大学実験動物施設協議会は合同で専門委員会を設立し、動物実験の外部検証を行ってきました。しかし外部検証専門員には高度な専門知識や経験が要求され、その数は慢性的に不足しています。我が国における動物実験の透明性を確保し、社会的説明責任を果たすことは、NBRPが展開する動物リソースの利用拡大や適正な活用を進めるためにも重要で、そのためには外部検証の実施体制を強化する必要があります。本プロジェクトの目的は、大学等で実施する動物実験の適正性を、外部の視点で客観的に検証できる専門員を大幅に育成し、動物実験の透明性と適正性を社会に示す仕組みとしての外部検証の機能を強化することにあります。そのため、外部検証に関する説明会と外部検証促進のために専門人材を育成するワークショップを継続的に開催し、外部検証の認知とその人材育成を進めています。