

- 代表機関:理化学研究所 バイオリソース研究センター 細胞材料開発室
- 課題管理者:中村 幸夫
- FAX:029-836-9130
目的と実施体制
PCR技術による遺伝子クローニングや、ES細胞と遺伝子相同組換え技術の融合による遺伝子変異マウスの作製等の遺伝工学技術の進歩は、20世紀終盤の遺伝子機能解析を飛躍的に発展させました。また、核移植技術による細胞の初期化やES細胞培養技術は、21世紀に入ってiPS細胞技術として花開き、「遺伝子を自由自在に操作する時代」を経て「細胞を自由自在に操作する時代」が到来し、細胞材料の種類も爆発的に増加しています。
理研BRC細胞材料開発室では、高品質かつ多様な細胞材料の寄託・保存・提供を掲げ、活動を行っています。細胞材料利用の拡大は、細胞の取違えやマイコプラズマ汚染(図1)を頻発する要因となり、結果の正確さや実験の再現性の欠如を生み出す可能性があります。当室では、細胞の取違えやマイコプラズマ汚染がない高品質の細胞試料を提供する万全な体制を整備しており、DNAシークエンスによる動物種同定等の最先端技術の導入にも努めています。なお、品質管理における人為的なミスを軽減するため、ISO9001認証下での品質管理体制を導入しています(図2)。また、癌細胞やヒト疾患 iPS細胞などの各種細胞株の特性や培養方法といった付随情報の充実に努めています(ヒト疾患特異的 iPS細胞においては、臨床情報データの提供も可能です)。
提供リソース
癌細胞をはじめとするヒト細胞株や様々な動物種由来細胞株から成る一般細胞株(約2,400株)、日本人由来不死化細胞株や園田・田島コレクション細胞(主に南米の様々な人種・民族に由来)及び後藤コレクション細胞 [早老症(主にWerner症候群)患者由来] から成る遺伝子解析用細胞株(約400株)、ヒト体性幹細胞(研究用ヒト臍帯血及び間葉系幹細胞)やES細胞(ヒト・マーモセット・ウサギ・マウス)、さらに疾患特異的ならびに健常者ヒト iPS細胞(それぞれ約3,100株と480株)や動物iPS細胞から成る幹細胞株(約5,400株)の提供が可能です。
リソース関連プログラム課題
【ゲノム情報等整備プログラム】
2002年度 | ゲノム情報 – 成果:ゲノム情報等整備プログラム:2002年度-2006年度 |