
- 代表機関:理化学研究所バイオリソース研究センター 微生物材料開発室
- 課題管理者:大熊 盛也
- FAX:029-836-9561
目的と実施体制
微生物は種多様性が特徴で、土壌・川・湖・海や我々の住環境以外に温度・pH・気圧・塩濃度・湿度・放射線量などに関する極限環境や宿主との共生など、さまざまな環境に生息しています。これら微生物の獲得した多様な機能は、生態系の維持、環境浄化、食品・医薬品生産などの幅広い分野の学術研究に数多く利活用されてきました。
NBRP一般微生物では、理研BRC-JCM(Japan Collection of Microorganism)が代表機関として、多種多様な微生物株を収集・保存・提供しています。これらの品質管理と事業全般において、国際品質マネジメント規格ISO9001の認証を得て、信頼性の確保に努めています。また、大学・研究機関等の存続困難な貴重な微生物資源の救済やNBRPに参加している病原真核微生物・病原細菌リソースとの補完・連携により、研究開発に必要な微生物リソースの整備を実施しています。第4期NBRPでは、性状やゲノム、論文等の微生物株に関する付随情報を充実させるとともに、データベースの利便性の向上に努め、国内外の微生物研究を推進します。
提供リソース
乳酸菌、放線菌を含む多様な細菌、アーキア、及び酵母と糸状菌の真菌に属する多種にわたる非病原性の微生物株を、合わせて約19,600株公開しています。国際的に承認されている細菌、アーキア、及び酵母の約半数に相当する基準株や、我が国に伝統がある発酵・バイオテクノロジー分野での分離微生物株を数多く整備し、培養が難しい嫌気性細菌や極限環境微生物などにも対応しています。人と動物の常在微生物などの健康研究に有用な微生物や、食品や農業・創薬・バイオエネルギー・物質生産・環境浄化などのバイオテクノロジー分野で有用な微生物も数多く利用可能としています。また、約500系統の細菌・アーキア・真菌ゲノムの配列情報も自ら解読し、ホームページより公開しています。
リソース関連プログラム課題
【ゲノム情報等整備プログラム】
2014年度 | NBRP一般微生物の多様な真核微生物のゲノム情報整備 |
2012年度 | 環境と健康の研究に資する一般微生物のゲノム情報の整備 |
2011年度 | F344ラットの全ゲノムシークエンス解析 |
2008年度 | LE/StmのBACエンドシーケンス (両端読み 122880クローン) |
2005年度-2006年度 | ゲノム情報 – 成果:ゲノム情報等整備プログラム:2002年度-2006年度 |
【基盤技術整備プログラム】
2020年度-2021年度 | 広範な微生物種の迅速同定を可能にするMALDI-TOF MSレファレンスデータの構築 |