
- 代表機関:東京大学 医科学研究所附属病院 セルプロセッシング・輸血部
- 課題管理者:長村 登紀子
- FAX:03-5449-5527
- 分担機関①:理化学研究所 バイオリソース研究センター 細胞材料開発室
- FAX:029-836-9130
目的と実施体制
ヒト臍帯血幹細胞は、最も未分化な造血幹細胞を豊富に含むとともに、間葉系幹細胞などを含むことが知られています。臨床的には白血病などの難治性血液疾患に造血幹細胞移植の細胞源として利用されていますが、再生医療、創薬研究、免疫学研究、感染症研究、遺伝学研究、環境医学研究など広く医学研究や生物学研究でも利用が進められています。
NBRP研究用ヒト臍帯血細胞では、出産に際して研究用臍帯血として本事業への提供の同意書を取得した臍帯血の譲渡を受け、東京大学医科学研究所細胞リソースセンターで細胞調製と凍結保存を行います。それらは理化学研究所バイオリソース研究センターを通じて、再生医療や創薬などの医学発展を目指した基礎研究やトランスレーショナル研究を行う産学の研究者に提供されます(図1)。
提供リソース
本バンクが扱う全ての試料は、調製後に凍結加工された試料になります。有核細胞試料は、臍帯血中の全白血球(WBC)を含んでいます。単核細胞試料は、主にリンパ球と単球からなりますが、CD34陽性細胞も含まれています。CD34陽性細胞試料は、造血幹細胞の代表的マーカーをもった細胞で、造血幹細胞移植の研究や血液分化の研究、再生医療分野ではiPS細胞のソースとしても注目されています。なお、凍結臍帯血については感染症検査(HBs-Ag, HBc-Ab, HCV-Ab, HIV-I/II-Ab, HTLV-1-Ab, Syphilis(TPHA, RIA))と無菌検査を実施しています。