
- 代表機関:理化学研究所 生命機能科学研究センター
- 課題管理者:上村 陽一郎
- FAX:06-6155-0112
- 分担機関①:筑波大学 生命環境系
目的と実施体制
細胞性粘菌(Dictyostelia)はバクテリアを捕食して分裂増殖する単細胞アメーバですが、飢餓状態になると集合して多細胞化し、胞子塊とそれを支える柄から成る子実体を形成することが大きな特徴です(右図)。実験株は無菌的な培養や遺伝子改変も容易で、全ゲノム配列データや多彩な発現ベクターも完備されていることから、細胞生物学、発生生物学、生物物理学、数理生物学など基礎科学分野でのモデル生物として、また、医科学や創薬分野での病原細菌の感染宿主や有用生理活性物質産生生物として利用されています。最近では大腸菌・酵母と同様に、分子生物学実験の作業プラットフォームや評価のための実験系として活用されています。
NBRP細胞性粘菌では、代表機関である理化学研究所生命機能科学研究センターが株、DNAリソースの収集・保存・提供を、分担機関である筑波大学がこれらリソースの保存に加え、トレーニングコースを実施しています。第4期NBRPでは、国際標準となる高品質のリソース整備と各系統の特性情報の付加や、新規利用者拡大に向けて実物展示やニュースレター発行などの広報活動を進めています。
提供リソース
細胞性粘菌4グループ(parvisporids・heterostelids・rhizostelids・dictyostelids)の野生株や Dictyostelium discoideumを中心とした遺伝子変異株(約1,100株)の提供が可能です。また、発現ベクターや遺伝子破壊コンストラクト、さらにAll in one CRISPR-Cas9ベクター(Sci Rep 8: 8471, 2018)などのプラスミドベクター(約420種)の提供も行っています。