
- 代表機関:東京女子医科大学 医学部
- 課題管理者:三谷 昌平
- FAX:03-5269-7414
目的と実施体制
体細胞が1,000個程度しかない線虫は、機能的には高等動物と同じような、生殖系、神経系、筋肉系、消化系等の多様な組織を持っており、細胞系譜(全ての細胞の受精卵から成体に至るまでの分化の道筋)が明らかにされています。また、生活環が3日程度(寿命は約3週間)で、約2万個のタンパク質をコードする遺伝子の4割弱がヒト遺伝子と類似の配列や機能を持っています。さらに、feeding RNA干渉が使用可能で、標的遺伝子に相補となる二本鎖RNAを発現させたバクテリアを線虫に摂食させるだけで簡単にかつ効率良く遺伝子発現を阻害できます。
本プロジェクトにおいて、第3期までに収集・公開した欠失変異体は8,000株を超えています。第4期では引き続き、欠失変異体を収集・保存・提供します。さらなる欠損変異体リソースの拡充を目的に、全ゲノムシーケンスによって既存のランダム変異体凍結バンクより各遺伝子の欠失変異体を見出し、純化後に保存、公開して希望者に提供します(右図)。さらに、致死変異体の解析などに有効なコンディショナルノックアウト等のツールとして利用できるCreリコンビナーゼトランスジェニック株や、同一染色体内での組換え抑圧をベースに作製した蛍光標識バランサー株の提供も行います。これらを利用することで、線虫の遺伝学的な解析が促進されると期待されます。
提供リソース
野生型系統に加え、各種遺伝子欠損系統が約11,100系統、Creリコンビナーゼトランスジェニック系統が約50系統、バランサー系統が約70系統揃っています。
リソース関連プログラム課題
【基盤技術整備プログラム】
2016年度 | 高性能な線虫バランサーの整備 |