
- 代表機関:理化学研究所 バイオリソース研究センター 遺伝子材料開発室
- 課題管理者:三輪 佳宏
- FAX:029-836-9120
目的と実施体制
遺伝子材料は、現在のライフサイエンス研究において最も基本的かつ不可欠な研究材料です。遺伝子の機能や発現調節の解析などの基礎的な研究から、診断・治療法の開発や創薬、物質生産などの応用研究まで、幅広い分野で必要とされています。
理研BRC遺伝子材料開発室では、研究者が開発した遺伝子材料や文科省ナショナルプロジェクトで作製された大規模クローンセットなどを収集・保存・品質管理・提供しています。実験の再現性を確保した信頼性の高いリソースを提供するために、クローンの増殖性、制限酵素地図、塩基配列の確認等による厳格な品質管理を行っています。また、遺伝子材料の収集・提供に関する生物遺伝資源寄託・提供同意書を整備し、寄託者と利用者の権利と責任を明確にし、円滑な利用を図っています。さらに、企業が権利を所有する先端的なリサーチツールを用いたバイオリソースについても、企業の理解と協力を得て、寄託と提供を可能としてきました。遺伝子材料に付随する特性情報や関連情報のホームページ上での公開、関連する技術セミナーや技術研修の実施などにより、遺伝子材料の利活用の向上に努めています。
提供リソース
ヒト全遺伝子の80%をカバーするcDNAクローン、マウス・コモンマーモセット・ツメガエル・カタユウレイボヤのESTクローン、マウス・ラット・ニホンザル・ショウジョウバエのゲノムのほぼ全域をカバーするBACクローン、分裂酵母・好熱菌のORFクローン等、網羅的リソースを提供しています。各々の遺伝子のクローンは、当開発室検索ページや京都大学化学研究所KEGGデータベースを介して検索が可能です。理研BRC内の連携により、微生物及びマウス系統由来のゲノムDNAの提供も行っています。また、近赤外発光が可能なAkaluc、細胞周期をモニターするFucciクローン、オルガネラマーカー、任意のタンパク質分解制御が可能なオーキシンデグロン法に使用するノックインベクター、遺伝子発現ベクター、ゲノム編集及び遺伝子導入用プラスミドクローン等、最先端のリサーチツールを提供しており、それらの情報はリソース特設ページを設けて研究コミュニティーに向けて情報発信しています。
リソース関連プログラム課題
【基盤技術整備プログラム】
2007年度-2009年度 | 遺伝子資源の長期保存に関する基盤整備技術の開発 |