
- 代表機関:筑波大学 下田臨海実験センター
- 課題管理者:笹倉 靖徳
- FAX:0558-22-0346
- 分担機関①:京都大学 大学院理学研究科
- 分担機関②:東京大学 大学院理学系研究科附属 三崎臨海実験所
目的と実施体制
海産無脊椎動物は古くから動物の発生、進化、生殖、神経生理などの良い研究材料として使用されてきました。それら海産無脊椎動物のうち、ホヤは脊椎動物に最も近い無脊椎動物として同じ脊索動物門に分類され、背側中枢神経系や脊索、鰓裂、内柱(甲状腺)など、脊椎動物と同じ体制を有しています。
カタユウレイボヤはホヤのモデル種で、ゲノムサイズが約160Mbpとコンパクトであり、その中に脊索動物の基本セットである16,000種類の遺伝子をコードしています。体制も単純で、受精後わずか1日で到達する幼生はわずか2,600個の細胞から成ります。カタユウレイボヤでは室内飼育系が確立しており、遺伝学的なアプローチによる解析、特にトランスポゾンによる形質転換系が可能であり、トランスジェニック・突然変異体系統が開発されています。また、ゲノム編集によるノックアウトも容易です。本プロジェクトでは、このホヤの野生型、トランスジェニック・突然変異体系統や、系統作製・遺伝子破壊に利用されたプラスミドDNAを収集・保存・提供すること、それらリソースの情報を公開する事業を推進しています。
提供リソース
野生型(クローズドコロニー)、各種蛍光タンパク質発現系統、エンハンサートラップ系統、細胞周期可視化FUCCI系統、突然変異体など合わせ、約130系統を保持しています。また、約350種の各種レポーター遺伝子発現プラスミドDNAや組織特異的TALEN発現プラスミドDNAなどが提供可能です。脊椎動物への進化メカニズムの解明や、発生・生理学研究など、 NBRPではこれらの研究分野に有用なマーカー系統などを各種取りそろえています。