
目的と実施体制
藻類とは、酸素発生型の光合成を行う生物から陸上植物を除いた生物の総称で、原核生物、原生生物、植物など広範な生物がもつ遺伝的要素を含んでいます。生息域も湖沼や沿岸、海洋といった普通の水環境だけでなく、温泉、雪氷、高塩、乾燥地帯などの様々な極限・特殊環境にも生息し、きわめて多彩な生物的機能が期待される生物群です。そのため、地球上の様々な生物の進化や光合成・代謝機能等に関する研究をはじめ、エネルギーや医薬品開発・環境研究などの幅広い分野で利用されています。
NBRP藻類では、代表機関の国立環境研究所(NIES)が微細藻類の収集・保存・提供を担当し、分担機関である神戸大学(KU-MACC)が大型海藻の収集・保存・提供を、北海道大学が藻類リソースのバックアップをそれぞれ担当します。第4期NBRPでは、3機関が連携して、品質管理体制の整備をはじめ、ゲノム解析株やモデル生物候補株等の新たな重要株の収集や、リソースの付加価値向上のため、保存株の形態情報や有用色素・有用脂肪酸情報等の整備、並びにシアノバクテリアや有用物質産生株・高頻度利用株などのゲノム情報の整備を行い、世界最高水準の藻類リソースの提供に努めています。
提供リソース
現在、21門64鋼644属1,399種4,139株(2021年4月時点)の多様な保存株を公開・提供しています。その中には、藻類と近縁な非光合成の無色プロティスト(原生動物)も含まれています。利用分野別には、モデル生物株(光合成、細胞分裂、性の進化研究など)、系統進化・分類学的重要種、環境問題を引き起こす有害種、バイオアッセイ用試験株、バイオマス生産・有用物質生産株などの様々な種・株を取り揃えています。
リソース関連プログラム課題
【ゲノム情報等整備プログラム】
2016年度 | NIESコレクションのシアノバクテリアのゲノム情報整備 |