ナショナルバイオリソースプロジェクト


marinebio_imageカタユウレイボヤ・ニッポンウミシダ

更新日:2011年12月 

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代表機関

筑波大学下田臨海実験センター

稲葉一男
E-mail

〒415-0025 静岡県下田市5-10-1
Tel : 0558-22-1317
Fax : 0558-22-0346

プロジェクトの目的

[ カタユウレイボヤ ]   ホヤは我々ヒトと同じ脊索動物門に属し、脊椎動物の進化を探る上で系統学的に重要な生物です。また、典型的なモザイク的発生を示し、発生における細胞系譜や細胞分化の研究の優れた材料として古くから研究が進められてきました。2002年にはカタユウレイボヤのゲノムが解読され、ゲノム/cDNA情報とそれらのライブラリーリソース、遺伝子・タンパク質発現情報も豊富に蓄積されています。さらにカタユウレイボヤは、トランスポゾン技術、トランスジェニック技術、室内飼育系、突然変異体作製という発生遺伝学に必要な技術が開発・応用されている唯一の海産無脊椎動物です。突然変異体やトランスジェニック系統作製については、Minosトランスポゾンを用いて進められており、挿入突然変異体や組織特異的にレポーター遺伝子を発現させた様々なマーカーラインが存在しています。このようにホヤ研究がライフサイエンスに果たす役割は大きく、国内外の様々な分野のライフサイエンスの研究に不可欠になりつつあります。そのホヤ研究を支える事業として主に1)カタユウレイボヤ野生型の供給 2)カタユウレイボヤトランスジェニック系統・突然変異体の収集・保存と供給を行っています。

[ ニッポンウミシダ ]    ニッポンウミシダとはウミユリ類の一種であり、棘皮動物に属します。棘皮動物は脊索動物とともに、新口動物に属し、新口動物の進化を理解する上で系統学的に重要な生物です。従来は、棘皮動物の代表としてウニ・ヒトデ・ナマコなどが研究されてきましたが、これらの動物は進化の過程で中枢神経節など、多くの動物に共通した組織・器官を捨てています。ウミユリ類は棘皮動物の中で最も起源が古く、中枢神経節を有するなど、棘皮動物の本来の体制を継承しています。また、再生能力が極めて高く、発達した神経系が再生にかかわることが知られています。ウミユリ類の多くは採集が困難でしたが、三崎臨海実験所では、ニッポンウミシダのライフサイクルを廻すことができるようになり、すべての発生段階の"固定試料""RNA"を供給しています。

実施体制


提供可能なリソース

Ciona intestinalis : 116系統 Oxycomanthus japonicus : 27系統

提供/寄託

 カタユウレイボヤ: 提供
 ニッポンウミシダ:提供

リソースを使った研究成果

  swimming juvenile (sj)はトランスポゾンMinosの挿入変異体で、セルロース合成酵素遺伝子Ci-CesAを破壊しています。ホヤ類は動物としては例外的にセルロースを合成するという特徴を持ちますが、そのセルロース合成ができない突然変異体の解析から、ホヤセルロースの持つ意外な機能が解明されました(Sasakura et al., PNAS 102: 15134 15139)。

運営委員会など

運営委員会

世界の関連サイト

関連サイト集(脊索動物棘皮動物

他機関との連携

その他

 第32回 日本分子生物学会におけるポスター展示


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